その親知らず・・もしかしたら、まだ使えるかも?
1 抜歯したところに親知らずを移植したケース
右下7番を抜歯して右下の親知らずを持ってきたケースの術前画像です。
親知らずの移植は保険治療でできるというメリットがあります(一定の条件あり)。
術後6年後のレントゲン写真です。
今回は隣接している部位から持ってきましたが、離れた部位から親知らずを持ってくることも技術的には可能です。
矯正治療だとすぐ隣りに親知らずが無いともってこれませんので、離れた部位でも対応可能なのは移植のメリットです。
デメリットは、神経が死んでしまうことが多いことと、数年程度しかもたないことも多いことです。
2 歯が無い奥歯に親知らずを矯正してもったきたケース
左下7番欠損部に親知らずをもってきた術前写真です。
通常だと左下の親知らずを抜歯してインプラントを入れましょう!と言われやすいケースです。
矯正治療で左下親知らずをもってきました。
歯が倒れないようにもってくるのは技術的に難易度が高いです。
移植に比べたメリットは、神経が死んでいないので最大の寿命が期待できます。
インプラントに比べても、当然より長い寿命が期待できます。
おわりに
今回、供覧したケースのように、親知らずは残しておけば有効に使える場合があります。
ただ、親知らずを無理に残すと虫歯のリスクや矯正治療後の後戻りのリスクが高まります。
全て神経のある健全な歯が残っている場合には、基本的に親知らずは抜歯したほうがメリットがある場合が多いです。