保定(ほてい)ってなんだろう?矯正歯科医が5つにまとめました。

歯並びが綺麗になった!!でもその後何もしないでいると、落とし穴が・・・

1 保定(ほてい)とは・・?

歯並びが綺麗になった後、なにもしないでいると歯がかなり後戻りしてしまいます。
歯には外側からほっぺたや口唇からの力が、内側からは舌からの力が働き、力が均衡する場所に歯は並びます。
矯正直後の綺麗な歯並びは、装置による力が働いていたから歯がその場所に並んでいるのであって、それを外してしまったら歯は体にとって本来の生理的な位置に戻ってしまいます。
生きている限りほっぺたや口唇、舌からの力が働き続けるので、厳密にいえば何歳になっても後戻りが起こる可能性はあります。
後戻り防止装置(リテイナー)を装着して後戻りを防ぐことを”保定(ほてい)”と呼びます。
保定は歯を動かすのと同じか、それ以上に重要な作業なのです。

2 リテイナーはいつまでつけれいれば良いの・・?

”歯を動かしたのと同じ期間使えば良い”という意見もありますが、歯並びを保ちたいなら半永久的に就寝時にはリテイナーをつけるべきです。リテイナーを2年程度つけてから、後は使わなくなった場合でも、後戻りがまったく見られない患者様は稀です。
後戻りには状況によって、生じやすいパターンがあります。

3 抜歯をしないで矯正した場合の後戻りとは・・?

歯列を拡大してデコボコの歯を治した場合は、後戻りが起きやすいです。歯の並ぶスペース不足が根本的には解決されていないため、何歳になっても歯はもとの位置に戻ろうとします。リテイナーの使用をやめてしまうと、元のデコボコの歯列に戻ってしまうので注意が必要です。

4 抜歯をして矯正した場合の後戻りとは・・?

歯を抜歯した場合はスペース的に余裕が生まれるので、非抜歯矯正のようにひどいデコボコの再発が生じることはありません。抜歯を伴う矯正でおきやすい後戻りは、抜歯した歯の部分が1〜2mm程度隙間が空いてしまうというものです。

5 もともと開咬やすきっ歯だった場合の後戻りとは・・?

もともと前歯が”開咬”の状態だった場合、舌を歯と歯の間に挟んでしまう癖(舌癖)が関係している場合が多いです。舌癖を完全に無くすことは難しいですが、問題が起きにくい程度にコントロールすることは可能です。またもともといわゆる”すきっ歯”だった場合にも舌癖が関係していたり、下の前歯による上の前歯への”突き上げ”が問題になっている場合があります。もともとの不正咬合の原因を考察し、それに対する改善の方策が考慮されていないと後戻りが生じやすくなってしまいます。

おわりに

保定は、歯を動かすことと同じくらい重要です。せっかく作った綺麗な歯並びを保つためには、長期間のリテイナーの装着が必要になります。
デコボコがひどい場合に無理に歯を抜かない矯正をやってしまうと、後戻りが起きやすくなります。後戻りのことを考えると、非抜歯矯正で無理にやりすぎるのは考えものです。
また矯正歯科医は歯列不正の原因になる舌の癖や、噛み合わせを事前に診断できていないと患者様の歯列の後戻りを効果的に防ぐことができません。

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