裏側矯正Q&A 矯正歯科医がわかりやすく解説します


1 料金はどのくらい高くなりますか?

都内の場合で、表側矯正の平均的な料金は60〜80万円程度です。上だけ裏側の場合には、それより20万円〜40万円程度、上下裏側の場合は40万円〜60万円程度、料金が上がる場合が多いです。総額制の医院と、調整料は別の医院があります。総額制はわかりやすいですが、簡単で短期間で済む矯正の場合にも高い費用がかかってしまう欠点もあります。裏側矯正の装置は患者様の歯1本づつオーダーメードで製作します。また歯科医師に求められる技術も格段に高くなりますので、料金が上がります。

2 治療期間は長くなりますか?

歯の動かし方によっても変わってきますが、一般的に言って3ヶ月〜半年程度は表側矯正に比べて治療期間が長くなる可能性があります。まずオーダーメードの装置を作らないといけません。これだけで最低でも1ヶ月程度の時間が余分にかかりますが、裏側矯正の場合はセラミックの歯の部分に仮歯を作る必要がある場合も多く、装置がつくまでの時間は表側矯正よりも多くかかる傾向があります。また裏側矯正の場合、歯を内側に引っ張る動きは得意ですが、内側に入っている歯を外側に押し出す力はやや弱い傾向があり時間がかかります。また仕上げの細かい調整には時間がかかります。熟達した矯正歯科医が治療を行った場合は表側矯正とあまり変わらない期間で治療が完了する可能性もありますが、期間を最重要視する場合には表側矯正を選択するほうが無難です。

3 裏側矯正でできない場合はありますか?

基本的にはありません。ただ、ケースによっては表側矯正のほうがずっとやりやすい場合もあり、また大学などで外科矯正を行う場合は表側矯正限定となります。裏側矯正が苦手とする動きは、たとえばガミーフェイスの上顎前歯を歯肉に押し込むような動きです。上顎前歯の圧下は矯正用インプラントを用いて表側からのアプローチを併用しないと、メカニクス的にどんな術者が行っても裏側矯正で有効なアプローチをすることは困難です。また前歯が内側に倒れこんでしまったような場合に、前歯の角度を補正することが難しいです。

4 しゃべりにくくならないか心配です・・

通常1ヶ月程度で慣れてきます。1ヶ月以内に重要な用事があるときは、装置の装着を延期することをおすすめします。矯正装置をつけると、装置が当たる部分に”靴ズレ”のような口内炎ができることがあります。舌に口内炎ができると非常に気になるものですが、裏側矯正の装置がついているとさらにしゃべりにくくなります。上顎の場合はあまり問題になることは少ないですが、下顎で横幅の狭い方の場合には装置をつけると舌の入るスペースが狭くなり、特に下顎の一番奥の歯につけた装置が舌の付け根あたりに口内炎をつくることがあります。
裏側矯正の装置をつける患者様の多くは人前で話す仕事をしている成人女性ですが、歌手や芸能活動をしている患者様でも問題なく使えていますのであまり大きな心配をする必要はありません。

5 まったく見えないようにしてほしいのですが・・

裏側矯正の装置は、大きく口を開ければ下顎の装置は見えてしまいますし、上顎の装置も見えてしまう可能性があります。歯に金属色がまったく来ないようにしたい場合にはインビザライン(マウスピース矯正)が適していますが、インビザラインでは抜歯を伴うような難易度の高い症例は治療が難しいです。また裏側矯正であっても奥歯の表側には表側矯正と同じような装置をつけることが必要になる場合があります。前歯に金属色の装置がつくことはありませんが、歯と同じ色のプラスチックの小さな突起物をつけることはあります。

6 むし歯にならないか心配です

裏側矯正の針金は歯の裏側につきますので、目で見て掃除をすることが難しく、表側矯正以上に歯ブラシには時間をかける必要があります。裏側矯正は虫歯になりやすそう・・と思われるかもしれませんが、実際は表側矯正よりもむし歯になりにくいというデータがあります。歯の裏側のほうがむし歯を抑制する唾液の循環が豊富だからです。
インビザライン(マウスピース矯正)は、いつでも取り外せますし、フロスもやりやすくむし歯予防の意味では裏側矯正よりも優れています。いっぽうで、食事や間食のたびに人前でマウスピースをいちいち外さないといけないことを敬遠される患者様もいます。

7 食べにくくありませんか?

裏側矯正の装置は前歯の裏側など歯と歯が当たるところにつけることが多く、そのままでは噛んだときに外れやすくなってしまうことがあります。そのため、奥歯の噛み合うところに噛み合わせを上げるためのプラスチックを貼り付けることがよくあります(バイトアップと呼びます)。バイトアップをしている期間は3ヶ月〜半年程度が多いですが、その間はその部分でしか物が噛めないのでやや不便になります。

8 治療の途中で装置を外せますか?

裏側矯正の装置は患者様の歯1本1本に合わせて作ったオーダーメードの装置です。外してしまった場合、そのまま再利用は通常できません。一時撤去、再装着すると、医院としてはもう一人の患者様の治療をするのに近いくらいの労力が必要になってしまいます。裏側矯正の装置の再装着にかかる費用は医院ごとに異なりますが、表側矯正よりも高額になります。装置の一時撤去を検討する状況としては結婚式、留学が一般的です。結婚式の場合は、通常歯の表側につけた装置の撤去は行いますが、裏側の装置の撤去は行わないことが多いです。留学の場合には、3ヶ月を超えるような場合には撤去を考えたほうが無難です。1年を超える留学の場合には現地での治療の継続を検討したほうが良いかもしれません。妊娠、出産の場合には装置の撤去は行わないことが多いです。


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