裏側矯正の6つのデメリットとは?矯正歯科医が教えます

1 料金が高くなる

裏側矯正は表側矯正に比べるとハーフリンガル(上だけ裏)で20万〜30万円程度、フルリンガルで40万〜60万円程度、料金が高くなる傾向があります。裏側矯正の装置は全てオーダーメードで患者様の歯1本1本全て違う形での製作となり、また調整の技術も表側矯正よりも難易度が格段に上がります。

2 しゃべりにくい

矯正装置をつけると、装置とこすれる部分に”靴ズレ”のような口内炎ができやすいです。裏側矯正の場合は口内炎が舌にできる可能性があり、しゃべるとき、食べるときに苦痛となります。特に下顎の一番奥歯に装置をつけたときに、舌の根元の部分で口内炎ができやすいです。ただ実際は最初の1ヶ月程度経過すれば問題となることはほとんどありません。裏側矯正をされる患者様のメインは人前でしゃべることを仕事にしている成人女性ですが、歌手やテレビに出ている方を含めて問題なく治療が行えています。

3 治療期間が長くなる

裏側矯正は一般的に表側矯正に比べて3ヶ月〜半年程度は治療期間が長くなる傾向があります。歯がデコボコの場合、内側に入っている歯を外側に押し出す場合は表側矯正に比べてやや時間がかかる傾向があります(逆に歯を内側に入れるのは早いです)。また細かな調整がやりづらいので、最終的な噛み合わせの調整の段階で表側矯正よりも時間がかかる傾向があります。

4 噛み合わせを上げることが多い

裏側矯正の装置はちょうど歯と歯が当たる部分につくことが多いです。たとえば前歯の裏や、上の奥歯の内側などは舌の歯がちょうど噛み合う部分なので、そのまま裏側矯正の装置はつけられません。そうした場合、上顎の奥歯や下顎の奥歯に噛み合わせを上げるためのプラスチックを貼ることが多いです(矯正医は”バイトアップ”と呼びます)。バイトアップのプラスチックをつけると、その間はその部分でした物が噛めず、やや辛抱が必要になります。バイトアップのプラスチックは3ヶ月〜半年程度して他の歯が当たってくると外せるようになることが多いです。

5 表側にも装置が付くことがある

奥歯の外側にはしばしば表側矯正のような装置がつくことがあります。犬歯の外側にも、歯と同じ色のプラスチックの突起をつけることがあります。インビザラインでもそうですが、前歯に金属がくることは無いものの、前歯に歯と同じ色のプラスチックをつけたり、奥歯の見えにくい部分に針金や装置をつけることが必要になってしまうことがあります。

6 歯ブラシがしにくい

裏側矯正はインビザライン(マウスピース矯正)のようにいつでも外すことはできないので、お手入れは大変になります。特に繊維質のものがつまりやすく、外しにくいことがあります。
ただ逆に言えば食事のたびに人前で外す必要はなく、また表側矯正に比べても虫歯が少ないというデータがあります。虫歯の発生を抑える唾液の循環の恩恵を裏側矯正の装置のほうが受けやすいことが理由とされています。

おわりに

以前は裏側矯正は表側矯正に比べて適応症が狭く、綺麗に仕上がらないと言われていました。裏側矯正は表側矯正に比べて格段に高い技術が必要ですが、十分に経験を積んだ矯正医が治療を行えば表側矯正とあまり遜色の無い治療結果を出せるようになってきています。表側矯正、インビザライン(マウスピース矯正)のメリット、デメリットを担当医とよく相談して、自分に一番合った治療方法を選んでいきましょう。

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